寝る前のよみきかせで目がさえてしまうのは、お話がおもしろすぎるからではなく、たいてい「終わり方」が原因です。読み終わったあとに質問をしたり、感想を求めたりすると、頭が動き出してしまいます。夜は、声を下げる・盛り上がる場面を先にする・最後は静かな一言で閉じる。この3つで、5分のよみきかせが眠りに変わります。
なぜ、読んだあとに目がさえてしまうのか
昼間のよみきかせと夜のよみきかせは、目的がちがいます。昼は、考えたり話したりするための時間。夜は、興奮を静めて眠りに向かうための時間です。
ところが、多くのご家庭で夜も昼と同じ読み方をしています。読み終わったあとに「どこがおもしろかった?」「〇〇ちゃんだったらどうする?」と聞くと、お子さまの頭はそこから働きはじめます。答えを考え、思い出し、話したくなる。これでは眠くなりません。
夜に必要なのは、感想を引き出すことではなく、静かに閉じることです。質問は、次の日の朝や、昼間の読み返しのときにとっておきましょう。
コツ①:声は、話が進むほど小さくしていく
夜のよみきかせでいちばん効くのは、声の使い方です。同じ話でも、読み方で眠りやすさが変わります。
はじめは、ふだんの声で。中ほどで、少しだけゆっくりに。終わりに近づくにつれて、声を小さく、間を長く。最後の一行は、ささやくくらいで十分です。お子さまは意味よりも、声の変化で「もう終わりだ」と体で分かります。
| 場面 | 声の大きさ | 速さ |
|---|---|---|
| はじまり(むかしむかし〜) | ふつう | ふつう |
| いちばん盛り上がるところ | 少し大きく | 少し速く |
| 盛り上がりのあと | 小さく | ゆっくり |
| 最後の一行 | ささやく | とてもゆっくり |
コツ②:夜に向く話、向かない話がある
話の中身より、「盛り上がりがどこに来るか」で選ぶと失敗しません。夜に向くのは、盛り上がりが真ん中にあって、終わりが静かな話です。
反対に、最後にいちばんの盛り上がりが来る話や、追いかけられる場面が終盤にある話は、昼間に読むほうが向いています。
- 夜は避けたい話:三枚のお札(追いかけられる場面が終盤にあります)
- 夜は避けたい話:マッチ売りの少女(かなしさが強く、話したくなる子が多いお話です)
- 夜に向く話:かさじぞう ・ おおきなかぶ ・ ねずみのすもう
| 夜に向く話 | 理由 |
|---|---|
| おおきなかぶ | みんなで転んで笑って終わる |
| かさじぞう | 最後は静かなお正月の朝 |
| ねずみのすもう | 勝ったあと、ほっとして終わる |
| つるのおんがえし | 静かな別れで、余韻が残る |
| びんぼうがみとふくのかみ | あたたかいごはんの場面で終わる |
コツ③:終わり方を、毎晩同じにする
読み終わったあとの「決まった言葉」を用意してください。「おしまい。おやすみ」でも、「また明日、続きのお話をしようね」でも構いません。大切なのは、毎晩同じであることです。
同じ言葉をくり返すと、それが眠りの合図になります。3〜6さいのお子さまは、くり返しにとても強く反応します。話の内容が毎日変わっても、終わり方が同じなら、体は「これで寝る時間だ」と覚えます。
ひまり姫の3Dえほんでは、どの話も最後がおだやかな場面で終わるように作っています。読み終えたら、感想を聞かずに、そのまま部屋を暗くしてください。
5分しかない日は、どうする?
毎日全文を読む必要はありません。時間がない日は、「あらすじ」だけを読んであげてください。2分ほどで終わります。
それも難しい日は、絵だけを見せて、お子さまに話してもらう方法もあります。前に読んだ話なら、覚えているところを自分で話してくれます。おうちの方は「そうだったね」と受けるだけで十分です。
続けることが、長さより大事です。1日1話、5分。それが半年で約180話分の時間になります。
きょうだいがいる場合
年齢差があると、どちらに合わせるか迷います。おすすめは、下の子に合わせて選び、上の子には役割を作ることです。
たとえば、くり返しの言葉のところを上の子に読んでもらう。ページをめくる係にする。読み終わったら、上の子だけにあとで一言感想を聞く。こうすると、下の子は最後まで聞けて、上の子は退屈しません。
よくある質問
寝る前のよみきかせは、何分がちょうどいいですか?
5〜7分が目安です。ひまり姫の38話は、どれも全文で約7分になるようにしています。長く読むより、毎晩続けるほうが効果があります。
同じ話ばかり読みたがるのですが、いいのでしょうか?
問題ありません。むしろ3〜5さいには向いています。次に何が起きるか分かっている安心感が、眠りにも言葉の習得にも役立ちます。
読んでいる途中で寝てしまいます。最後まで読むべきですか?
読まなくて大丈夫です。目的は話を伝えることではなく、安心して眠ることです。眠ったら、静かに閉じてください。
こわい話を読んだあと、寝つけなくなりました。どうすればいいですか?
結末をもう一度、短く伝えてあげてください。「おおかみは逃げていって、もう来なかったね」の一言で落ちつくことが多いです。次の日から、こわい場面のない話に変えてください。
タブレットで読んでも大丈夫ですか?
画面の明るさを下げ、寝る30分前までにすることをおすすめします。ひまり姫のサイトには夜モード(🌙ボタン)があり、暗い部屋でも読みやすくしています。
動画を見せるのと、絵本を読むのは、どちらがいいですか?
寝る前は、絵本のほうが向いています。動画は音と動きの刺激が強いためです。動画は昼間に、絵本は夜に、と分けるのがおすすめです。
38話すべて、本文は登録なしで最後まで読めます。夜に向くお話も、このライブラリから選べます。
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