「かさじぞう」は、大みそかの雪の日、売り物のかさを六体のお地蔵さまにかぶせてあげたおじいさんのもとに、お正月のごちそうが届く日本の昔話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「こまっている人を見たら、どうする?」を考えるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「かさじぞう」のあらすじ
むかし、小さな家に、やさしいおじいさんとおばあさんが住んでいました。明日はお正月。でも、おもちを作るお米がありません。二人は古い服を売って、お米を買おうと考えました。次の日は雪がたくさん降る、とても寒い日でした。おじいさんは町へ向かうとちゅう、雪をかぶった六体のお地蔵さまを見つけ、頭を下げます。町では大みそかで、だれも服を買ってくれませんでした。そこへ、同じように何も売れなかったかさ売りの人が通りかかり、「その服と、このかさを取りかえませんか」と言います。おじいさんは、こまっているその人の顔を見て、取りかえてあげました。帰り道、また六体のお地蔵さまの前を通ります。「こんなに雪が降って、寒いだろうなあ。」おじいさんはかさを一つずつかぶせていきましたが、最後の一体で足りません。そこで、自分がかぶっていたかさを脱いでかぶせました。その夜、外から重い足音が聞こえます。戸を開けると、お米やおもち、ごちそうが積まれていて、六体のお地蔵さまが光に包まれて消えていきました。
| 対象年齢 | 3〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 日本の昔話 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「かさじぞう」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、小さな家に、やさしいおじいさんとおばあさんが住んでいました。明日はお正月。でも、おもちを作るお米がありませんでした。おじいさんとおばあさんは、古い服を売ってお米を買おうと思いました。
次の日は、雪がたくさん降って、とても寒い日でした。おじいさんは古い服を持って、町へ出かけました。
とちゅうで、おじいさんは六体のお地蔵さまを見つけました。雪が、お地蔵さまの頭や肩につもっていました。おじいさんは頭を下げて言いました。「ごめんなさい。おもちもお花も、持っていません。」
町でおじいさんは、大きな声で呼びました。「古いけれど、まだまだあたたかい服ですよ。」でも、その日は大みそかでした。みんな忙しくて、だれも服を買ってくれませんでした。おじいさんは、ちょっぴりさびしそうでした。
そのとき、かさを売る人が通りかかりました。その人も、何も売れていませんでした。かさを売る人は言いました。「おじいさん、その服と、このかさを取りかえっこしませんか?」
おじいさんは、ちょっと迷いました。でも、その人がこまっている顔を見て、「いいですよ」と言って、服とかさを取りかえっこしました。
おじいさんは、ふぶきの中を、かさをかかえて歩きました。帰り道で、また六体のお地蔵さまの前を通りました。「こんなに雪が降って、寒いだろうなあ。」おじいさんは、かさを一つずつ、お地蔵さまにかぶせていきました。
最後のお地蔵さまの前で、「あ、かさが一つ足りない」と言いました。おじいさんは、自分のかぶっていたかさを脱ぎました。「これ、ぼくのだけど、どうぞかぶってくださいね。」おじいさんはお地蔵さまにやさしくおじぎをして、寒い風の中を、てくてく歩いて帰りました。
おじいさんが家に帰ると、おばあさんがびっくりして言いました。「おじいさん、かさはどうしたの? 寒かったでしょう?」おじいさんは、雪の中であったことを全部話しました。おばあさんはにっこり笑って言いました。「それでいいのよ。お地蔵さまがあたたかくなったなら、それで十分。」
夜になり、ごーんとお寺の鐘の音が聞こえてきました。二人は、やさしい気持ちのまま、ぐっすり眠りました。
すると、外から、どしん、どしんと重い足音が聞こえてきました。「おじいさんの家はどこかな。おじいさんの家はどこかな。」「ここです。」二人がびっくりして戸を開けると、なんと、たくさんのお米やおもち、おいしい食べ物が積まれていました。雪の中には六体のお地蔵さまが座っていて、ゆっくりと光に包まれながら消えていきました。
おじいさんとおばあさんは、手を合わせて言いました。「ありがとうございます。」おかげで二人は、あたたかいお正月をむかえることができました。それから毎年、二人はお地蔵さまにおもちやお花をお供えして、やさしくお世話をしました。
このお話の教訓:こまっている人を見たら、自分のものを分けてあげられる。
おじいさんは、自分の家にお米がないのに、かさをぜんぶあげてしまいます。しかも最後は、自分のかさまで。ふつうに考えれば損ですが、おばあさんは責めません。「お地蔵さまがあたたかくなったなら、それで十分」と言います。3〜6さいのお子さまには、「やさしくすると、まわりの大人も喜んでくれる」という安心が伝わります。お正月やクリスマスの前に読むと、もらう日ではなく分ける日として過ごすきっかけになります。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| おもち用のお米がない | こまっているのは、自分も同じことがある |
| 雪のお地蔵さまに頭を下げる | 何もあげられなくても、気持ちは伝えられる |
| かさ売りと交換する | こまっている人の顔を見たら、動ける |
| 自分のかさを脱いでかぶせる | 自分の分をゆずるのは、勇気がいる |
| おばあさんが「それでいい」と言う | やさしさを認めてくれる人がいると、心強い |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:「どしん、どしん」の足音を一緒に言うと、最後の場面がいちばん盛り上がります。
- 4〜5さいごろ:かさが一つ足りない場面で止めて、「どうしたらいいと思う?」と聞いてみてください。
- 5〜6さいごろ:「おじいさんは、どうして自分のかさをあげたのかな?」と聞くと、思いやりの理由を言葉にする練習になります。
- お正月やクリスマスの前に読むのがおすすめです。「もらう日」ではなく「分ける日」の話として入ります。
よくある質問
「かさじぞう」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は3さいから楽しめます。かさをかぶせていく場面のくり返しは3さいごろでも追えます。ゆずる意味が分かるのは4〜5さいごろからです。
この話の教訓は何ですか?
こまっている人を見たら、自分のものでも分けてあげられる、ということです。そして、そのやさしさは思いがけない形で返ってきます。
こわい場面はありますか?
ありません。夜に重い足音が聞こえる場面はありますが、おそろしいものではなく、お地蔵さまのおくりものです。寝る前に向いています。
お正月に読むのがいいですか?
はい。大みそかからお正月のお話なので、年末年始によく合います。もちろん、季節を問わず読めます。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。文字を読むのがまだ難しいお子さまには、動画から入るのもおすすめです。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


