「三枚のお札」は、山で山んばに追われた小僧さんが、和尚さんからもらった三枚のお札を使って逃げきる日本の昔話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、こわさをやわらげ、「こわいとき、どうやって落ちつける?」を学べるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「三枚のお札」のあらすじ
むかし、山のお寺に小さな小僧さんがいました。ある日、山へ栗ひろいに行きたくなります。和尚さんは三枚のお札をわたして、静かに言いました。「危なくなったら、これを使うのですよ。」山にはたくさん栗が落ちていて、夢中で拾っているうちに、空はだんだん暗くなりました。「あれ? 道が分からないぞ。」そこへ、ひょっこりおばあさんが現れ、「うちに泊まりなさい」と言います。夜中、小僧さんは包丁をとぐ音で目をさましました。おばあさんは、おそろしい山んばだったのです。体はがたがたふるえましたが、小僧さんは声をふりしぼりました。「トイレに行かせてください。」外に出たとたん、小僧さんは走り出します。追ってくる山んばに、一枚目のお札を投げると、目の前に大きな川が現れました。二枚目を投げると、高い山がそびえ立ちます。それでも山んばは越えてきます。三枚目を強く投げると、大きな火がごうっと燃え上がり、山んばは近づけなくなりました。お寺にかけこむと、和尚さんは落ちついた声で「ここはわしに任せなさい」と言い、「そんなに小さくもなれるかな」と山んばを豆ほどに化けさせて、さっと捕まえてしまいました。
| 対象年齢 | 5〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 日本の昔話 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「三枚のお札」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、山のお寺に、小さな小僧さんがいました。ある日、小僧さんは山へ栗ひろいに行きたくなりました。
和尚さんは三枚のお札をわたして、静かに言いました。「危なくなったら、これを使うのですよ。」小僧さんは元気よく、山へ向かいました。
山には栗がたくさん落ちていて、心がわくわくしました。夢中で拾っているうちに、空はだんだん暗くなりました。「あれ? 道が分からないぞ。」
そのとき、ひょっこり、おばあさんが現れました。小僧さんの心は、どきんと大きくなりました。「うちに泊まりなさい。」
夜中、小僧さんは、包丁をとぐ音で目が覚めました。おばあさんは、おそろしい山んばだったのです。体ががたがたふるえ、息が浅くなりました。それでも小僧さんは、声をふりしぼりました。「トイレに行かせてください。」
山んばは、小僧さんに縄をつけて外へ出しました。外に出たとたん、小僧さんは縄をほどき、一生けんめい走り出しました。
山んばが、すぐうしろまで追いかけてきます。あわてて、一枚目のお札を投げました。すると、目の前に大きな川がどーんと現れました。
山んばはにやりと笑い、板をかけて、水の上をすべるように渡ってきました。小僧さんはこわくてたまらず、どきどきしながら、また走り続けました。
二枚目のお札を投げると、高い山がそびえ立ちました。山んばはひらりと大きなとびのように化けて、山を一飛びで越えてきました。
足がすくみそうになりながらも、小僧さんは三枚目のお札を強く投げました。そのしゅんかん、大きな火がごうっと燃え上がりました。山んばは、それ以上近づけなくなりました。
小僧さんは全力でお寺へ走りました。和尚さんは、落ちついた声で言いました。「ここは、わしに任せなさい。」山んばは姿を変えておどかしましたが、和尚さんはあわてません。「そんなに小さくも、なれるかな。」山んばは、豆ほど小さくなりました。そのすきに、和尚さんはさっと捕まえました。それから山んばは、二度と現れませんでした。
小僧さんは、ふーっと大きく息を吐きました。こわかった心が、ゆっくり落ちついていきました。つる先生は言いました。「もし何か困ったことがあったら、深く呼吸をして、落ちついてね。」ひまり姫はうなずきました。「私も困ったときは、落ちついて考えてみる。」
このお話の教訓:こわいときは、まず深く息をして、できることを一つずつ。
小僧さんは、こわくないふりをしません。がたがたふるえながら、それでも「トイレに行かせてください」と声を出します。そして、お札を一枚ずつ使います。3〜6さいのお子さまに伝えたいのは、勇気とは「こわくないこと」ではなく「こわいまま、できることをすること」だという点です。読み終えたら、小僧さんと一緒に「ふーっ」と大きく息を吐いてみてください。こわい気持ちの落ちつけ方が、体で覚えられます。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| お札を三枚もらう | こまったときの備えを、持っておく |
| 夢中で栗を拾う | 夢中になると、まわりが見えなくなる |
| 包丁の音で目がさめる | 「おかしい」と気づく力は大切 |
| ふるえながら声を出す | こわくても、言葉にできる |
| お札を一枚ずつ投げる | 一度にできなくても、一つずつやればいい |
| 和尚さんが落ちついている | たよれる大人が、必ずいる |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3〜4さいごろ:こわがりのお子さまには早いお話です。読むなら、栗ひろいの場面と、最後にほっとする場面を中心に。
- 5〜6さいごろ:お札を投げる場面は、順番を一緒に思い出しながら読むと、こわさより「作戦」の面白さが勝ちます。
- 読み終わったら、小僧さんと同じように「ふーっ」と一緒に息を吐いてください。こわい気持ちの落ちつけ方の練習になります。
- 寝る前より、昼間に読むほうが向いています。読んだあと、こわかったところを話す時間を取ってあげてください。
よくある質問
「三枚のお札」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は5さいごろからをおすすめします。山んばに追われる場面があるため、こわがりのお子さまには昼間に読んであげてください。
この話の教訓は何ですか?
こわいときは、深く息をして、できることを一つずつやればいい、ということです。勇気とは、こわくないことではありません。
山んばはこわくないですか?
こわい場面はあります。ただし、けがや残酷な描写は入れていません。最後は和尚さんが落ちついて解決し、小僧さんは無事です。
寝る前に読んでも大丈夫ですか?
お子さまによります。こわい夢を見やすいお子さまには、昼間をおすすめします。読んだあと、こわかったところを話す時間があると安心できます。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。動画では、読んだあとにつる先生が落ちつき方を教える場面もあります。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


