日本の昔話えほん・今週むりょう

つるのおんがえし

約束と、やさしさのお話。

🧒 3〜5さい🕐 よみきかせ 約7分📖 めくって読む
1 / 1

右から左へ読む絵本です・◀▶でめくれます

よこ向きにすると、大きく読めます

えほんは6ページまで。お話の全文は、この下でぜんぶ読めます →

「つるのおんがえし」は、わなにかかった鶴を助けたおじいさんのもとに、若い娘がたずねてきて、機(はた)を織ってお礼をする日本の昔話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「約束を守る気持ち」と「別れのさみしさ」をやさしく描いています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。

「つるのおんがえし」のあらすじ

むかしむかし、山のふもとにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。寒い冬の日、たきぎを拾いに行ったおじいさんは、わなにかかって苦しんでいる白い鶴を見つけ、やさしくわなを外して助けます。その夜、家の戸を叩く音がして、雪の中に一人の娘が立っていました。二人は娘をあたたかく迎え、娘はそのまま一緒に暮らすようになります。ある日、娘は「機を織らせてください。織っている間は、けっして見ないでください」と約束をします。娘が織った布はとても美しく、町で高く売れました。けれど織るたびに娘は疲れていきます。心配になったおばあさんは、つい部屋をのぞいてしまいました。そこにいたのは、自分の羽を抜いて布を織る白い鶴でした。約束が破られたことを知った娘は、助けてもらったお礼に来たことを告げ、鶴の姿にもどって空へ帰っていきます。二人の胸には、さみしさとあたたかさが残りました。

対象年齢3〜6さい(目安)
よみきかせ時間約7分
お話の種類日本の昔話
このページの本文会員登録なしで全文むりょう

ぜんぶ読む:ひまり姫の「つるのおんがえし」

この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。

むかしむかし、山のふもとに、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。

ある寒い冬の日、おじいさんは山へたきぎを拾いに行きました。そのとき、苦しそうに鳴く声が聞こえました。あたりを見ると、白い鶴がわなにかかっています。鶴の羽はふるえていて、足には傷がありました。

「だいじょうぶだよ。」おじいさんはそう言って、やさしくわなを外してあげました。鶴はおじいさんの顔をじっと見つめました。その目は「ありがとう」と言っているようでした。やがて鶴は大きく翼を広げて、空へ飛んでいきました。

その夜のことです。おじいさんの家の戸を、とんとんと叩く音がしました。おばあさんが戸を開けると、一人の娘が立っていました。娘は雪の中でふるえながら、助けを求めていました。二人はあたたかいお茶を出して、娘をやさしく迎えました。

娘はそのまま家に残り、一緒に暮らすようになりました。毎日、家の手伝いをよくしてくれます。静かだった家には、やさしい笑い声が増えていきました。おじいさんとおばあさんの心は、ぽかぽかとあたたかくなりました。

ある日、娘が言いました。「わたしに機を織らせてください。ただし、織っている間は、けっして見ないでください。」おじいさんとおばあさんは、その約束にうなずきました。

娘は部屋に入り、静かに機を織りはじめました。部屋の中からは、かたん、ことん、という音が聞こえてきます。しばらくすると、白くてきれいな布ができあがりました。おじいさんが町で売ると、その布はとても高く売れました。

娘はそのあとも、何度も機を織り続けました。けれど、そのたびに娘はだんだん疲れていきます。おばあさんは、娘のことがとても心配になりました。そして、とうとう戸のすきまから、中をのぞいてしまいました。

すると、部屋の中に娘の姿はありませんでした。そこには一羽の白い鶴が立っていました。鶴は自分の羽を抜きながら、機を織っていたのです。

「見てしまいましたね。」娘は静かに言いました。「約束が、なくなってしまいました。わたしは、助けていただいたご恩を返したくて、ここに来ました。」おじいさんとおばあさんは、その話を聞いて涙を流しました。二人は娘を引きとめましたが、娘は静かに首を横にふりました。

「ありがとうございました。」娘はやさしい笑顔を見せました。そして、その体は光りはじめ、白い鶴の姿にもどりました。鶴は大きく翼を広げ、一度だけ振り向いて、おじいさんたちを見ました。そして、空へ飛んでいきました。白い姿は、だんだん小さくなっていきました。

おじいさんとおばあさんは、しばらく空を見つめていました。二人の心はさみしくなりました。それでも、心の中にはあたたかい気持ちが残りました。

このお話の教訓:約束を守ると、心があたたかいままでいられる。

このお話には、悪い人が出てきません。おばあさんがのぞいてしまったのも、娘を心配したからでした。それでも約束が破られると、大切な人はいなくなってしまいます。「約束を守れなかったら、心はどんな気持ちになるかな?」と聞いてみると、3〜6さいのお子さまでも、自分の言葉で答えてくれます。答えが出なくても大丈夫です。さみしさを一緒に感じた時間そのものが、こころの力になります。

場面子どもに伝わること
わなの鶴を助ける困っている相手に、自分から手を出していい
娘を家に迎えるやさしさは、めぐってくる
「見ないで」の約束約束は、目に見えないけれど大切なもの
のぞいてしまう心配からでも、約束は破ると戻せない
鶴が空へ帰るさよならはさみしい。でも、あたたかい気持ちは残る

何歳から?よみきかせのコツ

  • 3さいごろ:「かたん、ことん」の機の音を一緒に言ってみてください。話の筋よりも、音とリズムで十分に楽しめます。
  • 4〜5さいごろ:のぞいてしまう場面の前で止めて、「見てもいいのかな?」と聞いてみてください。迷う時間そのものが学びになります。
  • 5〜6さいごろ:最後に「約束を守れたとき、心はどんな気持ち?」「守れなかったときは?」と聞いてみてください。ひまり姫チャンネルの動画版でも、つる先生が同じ問いかけをしています。
  • 別れの場面でさみしくなるお子さまもいます。読み終えたら「助けてもらえて、鶴さんはうれしかったんだよ」と一言そえると、あたたかい気持ちで眠りにつけます。

よくある質問

「つるのおんがえし」は何歳から読めますか?

ひまり姫版は3さいから読めます。3さいごろは機を織る音のくり返しを楽しむだけで十分です。約束の意味が分かってくるのは4〜5さいごろからです。

この話の教訓は何ですか?

約束を守る心の大切さと、やさしさは返ってくるということです。悪い人は一人も出てきません。それでも約束が破られると大切な人がいなくなる、という静かな学びのあるお話です。

最後がかなしすぎませんか?

別れの場面はありますが、ひまり姫版では「さみしい。でも、あたたかい気持ちは残る」で終わります。読み終えたあとに一言そえてあげると、こわがりのお子さまでも寝る前に読めます。

よみきかせにどれくらい時間がかかりますか?

このページの全文をゆっくり読んで、約7分です。短くしたいときは、あらすじだけを読んであげてもかまいません。

無料で全部読めますか?

はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。

動画版はありますか?

あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。動画では、読んだあとにつる先生がひまり姫と気持ちを話しあう場面もあります。

紙の絵本はありますか?

あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。

ひまりスタジオ(Himari Studio)

3〜6さいのお子さまのために、日本と世界の童話を3Dえほん・3Dアニメにしています。YouTube「ひまり姫チャンネル」で公開中。絵本はAmazonでも販売しています。 このチャンネルについて →

更新日:2026-09-02