「みにくいアヒルの子」は、きょうだいと見た目がちがうために仲間に入れてもらえなかった子が、やがて美しい白鳥になる、アンデルセンの名作童話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「みんなとちがっても、だいじょうぶ」が伝わるように、ひとりぼっちの気持ちをていねいに描いています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「みにくいアヒルの子」のあらすじ
広い池のそばに、アヒルの家族が住んでいました。ある朝、かわいいアヒルの子たちが生まれましたが、最後の一羽だけは体が大きく、羽の色もちがっていました。その日から、少しずつ「ちがい」ができていきます。泳ぐときは「君はそっち」と離され、休むときも場所がなく、夜も池のすみで一羽きりでした。そんな日が何日も続きましたが、その子は毎日ひとりで泳ぎ続けました。季節がゆっくり変わり、その子の首は長く、羽は白くなっていきます。けれど、だれも気づきませんでした。ある春の朝、池に一羽の白い鳥がやってきました。長い首をうつして静かに泳ぐその姿は、とても美しく、きょうだいたちは目を丸くします。それは、あの子でした。だれも笑いませんでした。
| 対象年齢 | 4〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 世界の名作 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「みにくいアヒルの子」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、広い池のそばに、アヒルの家族が住んでいました。ある朝、かわいいアヒルの子たちが生まれました。でも、最後の一羽だけは、ほかの子とちがっていました。体は大きく、羽の色も少しちがっていました。
きょうだいたちは近づいて、こう言いました。「一緒じゃないね。」その日は、それだけでした。でも次の日から、少しずつ、ちがいができていきました。
朝になると、きょうだいたちはかたまって池へ行きました。みにくいアヒルの子も、あとをついていきます。でも、泳ぐ前に言われました。「君はそっち。ここ、せまいから。」みにくいアヒルの子は、少し離れて泳ぎました。水の音だけが聞こえました。
昼になると、みんなはよりそって休みました。でも、そこに場所はありませんでした。みにくいアヒルの子は、草のかげで一羽でした。
夜になると、みんなは丸くなって眠りました。「そこはだめ。」みにくいアヒルの子は、池のすみへ行きました。冷たい水の上で、羽をちぢめました。星が静かに光っていました。
そんな日が、何日も、何日も続きました。だれも声をかけませんでした。だれも見ていませんでした。
それでも、アヒルの子は毎日泳ぎました。ひとりで。
季節が、ゆっくり変わっていきました。アヒルの子は、少しずつ大きくなりました。首が長くなりました。羽が白くなってきました。でも、だれも気づきませんでした。みんな、前と同じようにせっしていました。
ある春の朝のことです。池はあたたかく光っていました。大きくなったアヒルたちが集まっています。そこへ、一羽の白い鳥が来ました。「だれだろう?」
白い鳥は静かに泳ぎました。長い首が水にうつります。その姿は、とても美しいものでした。きょうだいたちは目を丸くしました。「あれ? あれ?」それは、あの子でした。だれも笑いませんでした。少しくやしそうな顔もありました。
ひまり姫は言いました。「なんで、あんなにひどいこと言われてたんだろう?」つる先生は答えました。「たぶんね、まわりのみんなが、よく見ていなかったんだと思うよ。ちゃんと見たら、はじめからきれいだったのにね。」
「それにね、アヒルの子も、ずっとひとりでがんばっていた。」「さみしかったと思う。」「そうだね。でも今は、自分の姿を好きになれたかな。」ひまり姫は少し考えて言いました。「私、少し好きになってもいいって思った。」
このお話の教訓:みんなとちがっても、だいじょうぶ。
このお話でアヒルの子は、何も悪いことをしていません。ただ、ちがっていただけです。ひまり姫版では「白鳥になったからよかった」で終わらせず、まわりが「ちゃんと見ていなかった」ことにも目を向けています。園に通いはじめた3〜6さいのお子さまは、仲間に入れてもらえない経験をすることがあります。読んだあとに「アヒルの子は、どんな気持ちだったと思う?」と聞いてあげてください。答えられなくても、気持ちを想像した時間そのものが、こころの力になります。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| 「一緒じゃないね」と言われる | ちがうと言われるのは、かなしい |
| ひとりで泳ぐ | ひとりの時間にも、育つものがある |
| だれも気づかない | 見ていないと、変化に気づけない |
| 白い鳥になって現れる | その子は、ずっとその子のままだった |
| だれも笑わなかった | 人をわらった気持ちは、あとで自分に返る |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:「あさ・ひる・よる」のくり返しがあるので、リズムを楽しむだけで十分です。
- 4〜5さいごろ:ひとりで泳ぐ場面で止めて、「どんな気持ちかな?」と聞いてみてください。「さみしい」と言えたら、それだけで大きな一歩です。
- 5〜6さいごろ:最後に「もし、そばにいたら何て声をかける?」と聞くと、思いやりの練習になります。
- 園で仲間に入れなかった日に読むと、お子さまが自分の気持ちを話すきっかけになります。まずは聞くだけにして、アドバイスは急がないでください。
よくある質問
「みにくいアヒルの子」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は4さいごろからをおすすめします。3さいでも聞けますが、仲間はずれの気持ちが分かりはじめる4さい以降のほうが、心に残ります。
この話の教訓は何ですか?
みんなとちがっても大丈夫、ということです。あわせて「まわりがちゃんと見ていなかっただけ」という視点も描いています。ちがいを責めない目を育てるお話です。
いじめの場面がつらくないですか?
強い言葉やらんぼうな場面は入れていません。「そこはだめ」など短い一言で表し、そのあとの気持ちをていねいに描いています。
よみきかせにどれくらい時間がかかりますか?
このページの全文をゆっくり読んで、約7分です。短くしたいときは、あらすじだけを読んであげてもかまいません。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。動画では、読んだあとにひまり姫が自分の気持ちを話す場面もあります。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


