「かめとうさぎ」は、足の速いうさぎと、ゆっくり歩くかめが、かけっこで勝負するイソップの名作童話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、勝ったかめが負けたうさぎをなぐさめる場面まで描き、「はやくなくても、だいじょうぶ」が伝わるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「かめとうさぎ」のあらすじ
みどりの森に、とても足の速いうさぎがいました。「ぼくは森でいちばん速いんだ。だれにも負けないよ。」森には、のそのそ歩くかめもいました。ある日、うさぎの自慢話を聞いたかめが、静かに言います。「きみと、走ってみたいな。」うさぎは笑いましたが、勝負をすることになりました。合図とともに、うさぎは風のように走り出し、あっという間に遠くへ行きます。かめは一歩ずつ、ゆっくり前に進みました。ふりかえったうさぎは、かめが見えないので、「ちょっと寝ても負けないね」と大きな木の下で眠ってしまいます。その間もかめは、少しずつ、少しずつ進み続けました。太陽がしずみはじめたころ、うさぎが目をさましましたが、かめはもうゴールに手をのばしていました。かめの勝ちです。しょんぼりしたうさぎのところへ、かめが歩いていき、そっと肩に手をおきました。「だいじょうぶだよ。うさぎさんは十分すごいよ。ぼくは、最後まであきらめなかっただけなんだ。」
| 対象年齢 | 3〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 世界の名作 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「かめとうさぎ」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、みどりの森に、とっても足の速いうさぎがいました。うさぎは、ぴょんぴょんとはねながら、大きな声で言いました。「ぼくは森でいちばん速いんだ。だれにも負けないよ。」
森の中には、ゆっくり歩くかめもいました。かめはのそのそと遅いけれど、とてもやさしい子です。ある日、うさぎの自慢話を聞いたかめが、静かに言いました。「きみと、走ってみたいな。」
うさぎは、おなかをかかえて笑いました。「きみが? いいよ。ぜったい、ぼくの勝ちだけどね。」こうして二ひきは、かけっこをすることになりました。
「いち、に、さん、スタート!」かけ声とともに、かけっこが始まりました。うさぎは、びゅーんと走り出しました。風のように速く、あっという間に遠くへ行きました。かめは、のそのそ、のそのそ。ゆっくりだけれど、一歩、一歩、前に進んでいきます。
少し進んだところで、うさぎはふりかえりました。「かめさん、どこにいるの?」うさぎは、にやりと笑いました。「かめさん、おそすぎるよ。ぼく、ちょっと寝ても負けないね。」そう言って、うさぎは大きな木の下に寝転びました。やわらかい草の上は気持ちよくて、うさぎはすぐに、すやすやと眠ってしまいました。
そのあいだに、かめは一歩、また一歩と、静かに進んでいました。疲れても、あきらめません。「少しずつ、少しずつ。」かめは自分に言い聞かせながら、ゆっくりと前に進みました。
眠っているうさぎの横を通るとき、かめはちらりとうさぎを見て、にっこりしました。そしてまた、歩き続けました。
太陽が、少しずつしずんでいきました。かめは疲れて足が重くなっても、のそのそ、のそのそと一歩ずつ進みます。森の中では、動物たちが叫びました。「がんばれ、かめさん! もうすぐゴールだよ!」
そのとき、うさぎが目をさましました。「大変! かめさんがゴールしちゃう!」うさぎはあわてて走り出しました。でも、かめはもう、ゴールの線に手をのばしていました。タッチ。かめが先にゴールしたのです。
森中に、喜びの声がひびきました。「かめさんが勝った!」うさぎは追いついて、はあはあ言いながら止まりました。まわりのみんなは笑って喜んでいます。うさぎは、少しかなしい顔で座りました。長い耳が、しょんぼり垂れました。
かめは、うさぎのところへ歩いていき、そっと肩に手をおきました。「だいじょうぶだよ、うさぎさん。」うさぎは顔をあげて、小さな声で言いました。「ぼく、自分がいちばんだと思ってた。」
かめはにっこり笑って言いました。「うさぎさんは、十分すごいよ。でもぼくは、最後まであきらめなかっただけなんだ。」うさぎは、そっとうなずきました。動物たちはしばらく静かになり、それから一斉に拍手しました。森の中は、また笑い声でいっぱいになりました。
このお話の教訓:はやくなくても、だいじょうぶ。やめなければ、前に進める。
このお話は「うさぎがなまけたから負けた」で終わりがちですが、ひまり姫版では、かめが負けたうさぎをなぐさめる場面まで描いています。3〜6さいのお子さまにとっては、勝ち負けそのものより「負けた子にどう声をかけるか」のほうが、園ですぐに使える力になるからです。読んだあとに「かめさんは、どうして勝てたのかな?」「うさぎさんは、どんな気持ちだったかな?」の2つを聞いてみてください。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| うさぎが自慢する | できることを自慢すると、まわりが見えなくなる |
| かめが勝負をいどむ | 遅くても、やってみていい |
| うさぎが昼寝をする | あとまわしにすると、追いつかれる |
| かめが少しずつ進む | 小さな一歩でも、続ければ届く |
| かめがうさぎをなぐさめる | 勝っても、いばらない |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:「のそのそ」「ぴょんぴょん」を体で動きながら読むと、それだけで大喜びします。
- 4〜5さいごろ:うさぎが寝てしまう場面で「このあと、どうなると思う?」と聞くと、予想する力が育ちます。
- 5〜6さいごろ:勝負ごとで負けてくやしがる時期にぴったりです。「かめさんは、なんて言ってあげたっけ?」と思い出させてあげてください。
- きょうだいで競争になりやすいご家庭では、読んだあとに「うちのかめさんは、だれかな?」と話すと場がやわらぎます。
よくある質問
「かめとうさぎ」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は3さいから楽しめます。3さいごろは動きの音を楽しむだけで十分です。勝ち負けの意味が分かってくる4〜5さいごろに、いちばん響きます。
この話の教訓は何ですか?
はやくなくても、やめなければ前に進める、ということです。あわせて、勝った側がいばらないこと、負けた相手に声をかけることも描いています。
こわい場面はありますか?
ありません。だれも傷つかず、最後はみんなで拍手して終わります。寝る前のよみきかせにも向いています。
よみきかせにどれくらい時間がかかりますか?
このページの全文をゆっくり読んで、約7分です。短くしたいときは、あらすじだけを読んであげてもかまいません。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。文字を読むのがまだ難しいお子さまには、動画から入るのもおすすめです。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


