「十二支のはじまり」は、神さまが「元日の朝、山の上に早く着いた十二ひきを、一年ずつの動物の王にする」と決めたことから始まる日本の昔話です。ねずみにうそをつかれた猫は、まちがった日に出かけてしまいます。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「ほんとのことを言うって、どうして大切?」を考えるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「十二支のはじまり」のあらすじ
むかし、高い山に神さまが住んでいました。もうすぐお正月なので、動物たちと一緒にお祝いしようと決め、ふもとに立て札を出します。「元日の朝、山の上に早く着いた十二ひきが選ばれる。」読んだ動物たちは、みんな目をきらきらさせました。その騒ぎで昼寝をしていた猫が目をさまします。ねずみは「山に行くのは元日の次の日ですよ」と教えました。猫は安心して、また眠ってしまいます。大みそかの夕方、足のおそい牛は早めに出発しました。そのすきに、ねずみがそっと牛の背中に乗ります。牛は気づかず、夜も休まずに歩き続けました。うさぎ、とら、たつ、へび、馬と羊、さると犬と鶏も、それぞれ山を目指します。元日の朝、いちばん先に着いたのは牛でした。ところがそのしゅんかん、牛の背中からねずみがぴょんと飛びおり、先に前へ出たのです。一番はねずみ、二番は牛になりました。こうして十二ひきがそろいます。ようやく目をさました猫が山に着いたときには、すべて終わっていました。
| 対象年齢 | 3〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 日本の昔話 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「十二支のはじまり」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、高い山に神さまが住んでいました。もうすぐお正月です。神さまは、山の下を見下ろして、動物たちと一緒にお正月を祝おうと決めました。
まもなく、山のふもとに一枚の立て札が出ました。「元日の朝、山の上に来て、早く着いた十二ひきが選ばれる。」この十二ひきは、一年ずつの動物の王になるのです。読んだ動物たちは、みんな目をきらきらさせました。だれもが一番になりたいと思いました。
動物たちは「早く行こう」と大さわぎしました。その騒ぎ声で、昼寝をしていた猫が目をさましました。「何があったんですか?」ねずみが言いました。「山に行くのは、元日の次の日ですよ。」「本当ですか?」「本当ですよ。」
猫はすっかり安心して、ほっとあくびをしました。「それなら、まだ大丈夫だ。」こうして猫は、くるんと丸くなって、すやすや寝てしまいました。
そのころ、大みそかの夕方になると、牛は先に出ることにしました。牛は足がおそいので、早めに行こうと思ったのです。するとそのすきに、ねずみがそっと近づいてきました。そして、牛の背中にこっそり乗ったのです。牛はそれに気づかず、ただまっすぐ山を目指しました。まじめな牛は、夜の間も休まずに歩き続けました。
やがて、他の動物たちも目をさましました。うさぎは、ぴょんぴょんはねながら登っていきます。とらは、勢いよく山へかけ出しました。たつは、空から優雅に山へ向かいます。へびも、するすると体を動かしながら進みました。
馬と羊は、声をかけ合いながら山を登りました。羊は少しどきどきしていました。そんな羊に、馬は「だいじょうぶですよ」とやさしく言いました。いっぽうで、鶏は寝ぼうしてあわてていました。さると犬は一緒に出かけましたが、だんだん張り合いはじめ、けんかにまでなってしまいました。
そうしているうちに、とうとう元日の朝がやってきました。いちばん先に山の上へ着いたのは、牛でした。神さまは「よく来ましたね」と、うれしそうに言いました。
ところが、そのしゅんかん、牛の背中からねずみがぴょんと飛びおりました。そして、牛よりも先にさっと前へ出たのです。牛はびっくりしましたが、何も言えませんでした。こうして、一番はねずみ、二番は牛になりました。
そのあとすぐ、とらが三番で着きました。続いて、うさぎが四番。空から来たたつが五番。そのあとを追うように、へびが六番になりました。しばらくすると、馬と羊の姿が見えてきました。羊はまだどきどきしています。馬は「先にどうぞ」とやさしく言いましたが、羊は「いいえ」と首をふりました。そのまま、馬が七番、羊が八番になりました。
その後から、さると鶏と犬も山の上へやってきました。神さまはけんかのことも知っていたので、順番を考えました。九番はさる、十番は鶏、そして十一番は犬になりました。「あと一ぴきですね。」しばらくして、いのししが急いで走ってきました。「ちがう山へ行っていました。」それで、十二番はいのししに決まりました。
そのころ、ぐっすり寝ていた猫が、ようやく目をさましました。猫はのんびり伸びをして、山へ向かいました。けれど、山の上に着いたときには、もうすべて終わっていました。そこで猫は、約束が元日の朝だったと知りました。猫の胸はきゅっとして、顔がくもりました。ねずみにだまされたのだと、やっと分かったのです。
このお話の教訓:ほんとのことを言う。うそは、友だちを悲しくさせる。
十二支のお話は、順番を覚える楽しいお話ですが、ひまり姫版でいちばん大切にしているのは、最後の猫の気持ちです。ねずみは、いじわるがしたかったわけではなく、一番になりたかっただけでした。それでも、猫は今も悲しいままです。3〜6さいのお子さまは、勝ちたくて小さなうそをつくことがあります。読んだあとに「猫さんは、どんな気持ちだったと思う?」と聞いてみてください。うそをつかれた側の気持ちを想像することが、いちばんの学びになります。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| 立て札を読む | みんな、一番になりたい気持ちがある |
| ねずみが猫にうそをつく | 勝ちたい気持ちから、うそが出ることがある |
| 牛が早く出発する | 自分に合ったやり方で、準備すればいい |
| ねずみが牛の背中に乗る | ずるいやり方は、あとまで残る |
| 馬が羊に「先にどうぞ」と言う | ゆずるやさしさもある |
| 猫が間に合わない | うそは、友だちを悲しくさせる |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:動物の名前を順番に言うだけで楽しめます。指を折って数えながら読んであげてください。
- 4〜5さいごろ:「ひまりの年は、なに年かな?」と、家族の干支を数えると盛り上がります。
- 5〜6さいごろ:「猫さんは、どんな気持ちだったと思う?」と聞いてみてください。うそをつかれた側の気持ちを考える練習になります。
- お正月や年末に読むと、その年の干支と結びついて記憶に残ります。
よくある質問
「十二支のはじまり」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は3さいから楽しめます。動物が次々に出てくるので、3さいごろでも最後まで聞けます。うそのテーマが伝わるのは4〜5さいごろからです。
この話の教訓は何ですか?
ほんとのことを言う大切さです。ねずみのうそで猫が間に合わなかった、というところにお話の芯があります。
十二支の順番を覚えられますか?
はい。ねずみ・牛・とら・うさぎ・たつ・へび・馬・羊・さる・鶏・犬・いのししの順に出てきます。指を折りながら読むと覚えやすくなります。
こわい場面はありますか?
ありません。動物たちのかけっこのお話です。お正月のよみきかせにも向いています。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。文字を読むのがまだ難しいお子さまには、動画から入るのもおすすめです。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


