「いっすんぼうし」は、親指ほどの大きさで生まれた男の子が、おわんの船とはりの刀で都へ行き、鬼を追い払ってりっぱな若者になる日本の昔話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「小さくても、できることはある」が伝わるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「いっすんぼうし」のあらすじ
むかしあるところに、なかよしのおじいさんとおばあさんがいましたが、子どもがいませんでした。「指先ほどでもかまいません」と神さまにお願いすると、本当に親指くらいの小さな男の子が生まれ、二人はいっすんぼうしと名づけます。ご飯をたくさん食べても体は大きくなりませんでしたが、いっすんぼうしは元気いっぱいでした。ある日、「都へ行って、りっぱな侍になります」と旅立ちます。おじいさんはおわんの船を、おばあさんはおはしのかいを用意し、いっすんぼうしははりを刀にして腰にさしました。川は広く、風もふきましたが、いっすんぼうしはこぎ続け、やがて都に着きます。大きなお屋敷でお姫さまを守る役目につき、ある日、現れた赤鬼に飲みこまれてしまいます。それでもあきらめず、はりの刀でちくちくとさすと、鬼はいっすんぼうしを吐き出して逃げていきました。鬼が落としていった打ち出の小づちをお姫さまがふると、いっすんぼうしはぐんぐん大きくなり、りっぱな若者になりました。
| 対象年齢 | 3〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 日本の昔話 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「いっすんぼうし」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。二人はとてもなかよしでしたが、子どもがいませんでした。毎日、神さまにお願いをしました。「神さま、どうぞ子どもをさずけてください。指先ほどでも、かまいません。」
すると本当に、小さな男の子が生まれました。親指くらいの大きさしかありません。二人は喜んで、「いっすんぼうし」と名づけました。ご飯をたくさん食べましたが、体は大きくなりません。それでも、いっすんぼうしは元気いっぱいでした。
ある日、いっすんぼうしは言いました。「都へ行って、りっぱな侍になります。」おじいさんは、おわんの船を用意しました。おばあさんは、おはしのかいをわたしました。そして、はりを刀にして腰にさしました。「行ってきます。」
川の水は、ごうごうと流れています。雨がふって、風もびゅうびゅうふきました。おわんの船は、ゆらゆらとゆれます。それでも、いっすんぼうしは負けません。えっと、えっと、おはしでこぎ続けました。
やがて、にぎやかな都に着きました。大きなお屋敷で、美しいお姫さまに会いました。いっすんぼうしは、お姫さまを守る役目につきました。
ある日、二人が道を歩いていると、どしん、どしん、と音がしました。おそろしい赤鬼が現れたのです。「お姫さまを、さらうぞ。」お姫さまはふるえてしまいました。
いっすんぼうしは、前に飛び出しました。「ぼくが相手だ。かかってこい。」鬼は、こしゃくな、と笑いました。そして、ぱくり。鬼は、いっすんぼうしを飲みこんでしまいました。
まっ暗な、おなかの中です。それでも、いっすんぼうしはあきらめませんでした。はりの刀で、ちくちく、ちくちく、とさしました。「いたいよ。」鬼は泣きさけびました。そして、いっすんぼうしを吐き出して、逃げていきました。
鬼が逃げたあと、何かが落ちていました。それは、打ち出の小づちでした。お姫さまがそれをふりました。「大きくなれ。いっすんぼうし、大きくなれ。」
すると、いっすんぼうしの体は、ぐんぐんとのびました。りっぱな若者になりました。二人は結婚して、おじいさんとおばあさんも都へ呼びました。みんなで、なかよく幸せに暮らしました。
ひまり姫は言いました。「飲みこまれても、たたかったの?」つる先生はうなずきました。「最後まで、自分を信じていたんだよ。」「小さくても、鬼に勝てるんだね。」「大事なのは、体の大きさじゃないんだよ。」
「うん。私、小さくてもがんばる。」「その意気だよ、ひまり。」
このお話の教訓:小さくても、できることはある。
いっすんぼうしが鬼に勝てたのは、大きくなったからではありません。おなかの中というまっ暗な場所でも、はりの刀でできることをやり続けたからです。3〜6さいのお子さまは、「まだ小さいからできない」と言われる経験をよくします。このお話は、その反対を伝えてくれます。読んだあとに「いっすんぼうしは、どうやって鬼に勝ったのかな?」と聞いてみてください。「大きくなったから」ではなく「あきらめなかったから」に気づけたら、それがこの話のいちばんの学びです。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| 親指くらいの子が生まれる | 小さいことは、悪いことではない |
| おわんの船で川をわたる | 自分にあった道具を使えばいい |
| 鬼の前に飛び出す | こわくても、守りたいものがあれば動ける |
| おなかの中であきらめない | できることを続けると、道がひらく |
| 小づちで大きくなる | がんばったあとに、ごほうびがやってくる |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:「どしん、どしん」「ちくちく」の音を一緒に言うと、それだけで最後まで楽しめます。
- 4〜5さいごろ:おわんの船の場面で、「おうちの中で、船になりそうなものある?」と聞くと、想像がふくらみます。
- 5〜6さいごろ:「いっすんぼうしは、どうして勝てたと思う?」と聞いてみてください。体の大きさ以外の答えが出たら、たっぷりほめてあげてください。
- 背の低さや体の小ささを気にしはじめたお子さまに、いちばん効くお話です。寝る前に読むと、次の日の登園の力になります。
よくある質問
「いっすんぼうし」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は3さいから楽しめます。3さいごろは音のくり返しで十分です。「小さくてもできる」という意味が伝わるのは4さいごろからです。
この話の教訓は何ですか?
小さくても、できることはある、ということです。いっすんぼうしは体が大きくなる前に、はりの刀で鬼を追い払います。あきらめない気持ちが力になる、というお話です。
鬼に飲みこまれる場面はこわくないですか?
まっ暗なおなかの中の場面はありますが、痛みや血の描写は入れていません。すぐに鬼が逃げていくので、こわがりのお子さまでも読めます。
よみきかせにどれくらい時間がかかりますか?
このページの全文をゆっくり読んで、約7分です。短くしたいときは、あらすじだけを読んであげてもかまいません。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。文字を読むのがまだ難しいお子さまには、動画から入るのもおすすめです。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


