「はだかのおうさま」は、「おろかな人には見えない布」といううそにだまされた王さまが、何も着ないまま町を歩き、小さな男の子が「王さまは、はだかだ」と声をあげる、アンデルセンの名作童話です。ひまり姫版は3〜6さい向けに、「みんなとちがうこと、言える?」を考えるお話にしています。よみきかせは約7分。全文をこのページで無料で読めます。
「はだかのおうさま」のあらすじ
むかしある国に、新しい服が大好きな王さまがいました。ある日、お城に二人の男がやってきて、機織りの職人のふりをして言います。「私たちは、おろかな人には見えない魔法の布を作れます。」王さまは大喜びして、たくさんのお金をわたしました。けれど、二人の機には糸が一本もありません。ただ、織るふりをしているだけでした。気になった王さまは、いちばん賢い大臣を見に行かせます。大臣には布が見えませんでしたが、「おろかだと思われたくない」と思い、「とても美しい模様ですね」と言ってしまいました。次の家来も、同じようにうそをつきます。ついに王さま自身が見に行きましたが、やはり何も見えません。「わしは王さまにふさわしくないのか?」王さまも、大きくうなずいて「実にみごとな布である」と言いました。パレードの日、王さまは何も着ないまま、ほこらしげに町を歩きます。町の人たちもみんな、うそをついて拍手しました。そのとき、小さな男の子が前へ出て、大きな声で叫びます。「王さまは、はだかだ。お洋服なんて、何も着てないよ。」
| 対象年齢 | 4〜6さい(目安) |
|---|---|
| よみきかせ時間 | 約7分 |
| お話の種類 | 世界の名作 |
| このページの本文 | 会員登録なしで全文むりょう |
ぜんぶ読む:ひまり姫の「はだかのおうさま」
この下から最後まで、むりょうで読めます。絵をめくって読みたいときは、上の3Dえほんでどうぞ。
むかしむかし、ある国に王さまがいました。王さまは、新しい服が大好きです。毎日ちがう服に着がえてばかりいました。
ある日、お城に二人の男がやってきました。二人は、機織りの職人のふりをしています。男たちは王さまに、こう言いました。「私たちは、不思議な布を作れます。おろかな人には見えない、魔法の布です。」
王さまはそれを聞いて、大喜びしました。「その布で、いちばんすてきな服を作りなさい。」王さまは、たくさんのお金をわたしました。
二人の男は、さっそく機を織りはじめました。でも、機には糸が一本もありません。男たちは、織るふりをしているだけでした。
何日かたって、王さまは気になりました。「服は、どれくらいできたかな?」王さまは、いちばん賢い大臣を見に行かせました。大臣は、機の部屋に入りました。そして、目を大きく開けておどろきました。「あれ? 布はまったく見えないぞ。」大臣の胸は、どきどきと激しくなりました。「もしかして、私はおろかな人間なのか?」
だれにも、おろかだと思われたくありません。大臣は言いました。「とても美しくて、すばらしい模様ですね。」大臣の心の中は、もやもやでいっぱいです。
次に、王さまは別の家来を行かせました。家来も、やっぱり布が見えませんでした。家来も胸をどきどきさせて、うそをつきました。「とてもきれいな色でございます。」家来の心も、暗くもやもやしています。
ついに、王さま自身が見に行くことにしました。たくさんの家来を引き連れて、部屋に入りました。王さまは機を見て、はっとしました。「どういうことだ。何も見えないぞ。」王さまの胸は、きゅっと冷たくなりました。「わしは、王さまにふさわしくないのか?」
でも、王さまは気づかれたくありません。王さまは大きくうなずいて言いました。「うむ。実にみごとな、魔法の布である。」まわりの家来たちも、本当のことが言えません。心をどきどきさせながら、拍手しました。
いよいよ、パレードの日がやってきました。男たちは、新しい服を着せるふりをします。「王さま、とてもお似合いでございます。」王さまは鏡の前でポーズを取りました。鏡には、下着すがたの王さまがうつっています。でも、王さまは満足そうに笑いました。
王さまは、ほこらしげに外へ歩き出しました。町の人たちが、王さまを見に集まっています。みんな、魔法の布のうわさを知っていました。王さまが通りを歩いてきます。町の人たちは、目をぱちりとさせました。「あれ? 王さま、はだかじゃないか。」でも、みんなの胸はどきどきします。「見えないと言ったら、おろかだと思われる。」町の人たちは、みんなでうそをつきました。「なんてすてきな、新しいお洋服なんだ。」みんな、心はもやもやして苦しいままです。
そのとき、小さな男の子が前へ出ました。男の子はじっと王さまを見つめます。男の子は、不思議でたまりません。「どうして、みんなうそをつくんだろう。」男の子は大きく息を吸いこみました。そして、勇気を出して大きな声で叫びました。「王さまは、はだかだ! お洋服なんて、何も着てないよ!」
「そうだ、王さまは、はだかだ。」だれかが言いました。「本当だ。男の子の言うとおりだ。」町の人たちは、本当のことを言いはじめました。ずっとうそをついていた胸のつかえが取れました。大きな笑い声が、町じゅうに広がりました。王さまは、だまされていたことに気づきました。顔は真っ赤になり、はずかしくてたまりません。でも王さまは胸を張って、歩き続けました。パレードを最後までやりとげたのです。
このお話の教訓:みんなとちがっても、見えたことをそのまま言っていい。
この話でうそをついたのは、悪い人だけではありません。大臣も、家来も、町の人も、みんな「おろかだと思われたくない」から言えませんでした。3〜6さいのお子さまも、園でみんなが「はい」と言うと、自分もそう言ってしまいます。読んだあとに「男の子は、言えたとき、どんな気持ちだったと思う?」と聞いてみてください。「すっとした」「軽くなった」という感覚に気づけると、次に本当のことを言う力になります。
| 場面 | 子どもに伝わること |
|---|---|
| 「おろかな人には見えない布」 | うそは、こわい気持ちを利用する |
| 大臣がうそをつく | えらい人でも、言えないことがある |
| 王さまもうそをつく | みんな、はずかしい思いをしたくない |
| 町の人が拍手する | まわりに合わせると、心はもやもやする |
| 男の子が声をあげる | 見えたことを、そのまま言っていい |
| みんなが本当のことを言い出す | 一人が言うと、みんなが言える |
何歳から?よみきかせのコツ
- 3さいごろ:はだかで歩く王さまの場面が、いちばん笑うところです。細かい意味づけは不要です。
- 4〜5さいごろ:大臣が「見えない」と気づく場面で、「なんて言うと思う?」と聞いてみてください。
- 5〜6さいごろ:「言えたとき、どんな気持ちだったと思う?」と聞くと、正直に言う気持ちよさに気づけます。
- 園でみんなに合わせてしまうことが増えた時期に読むと、いちばん効きます。
よくある質問
「はだかのおうさま」は何歳から読めますか?
ひまり姫版は4さいごろからをおすすめします。3さいでもはだかの場面は笑えますが、「言えない気持ち」が分かるのは4さい以降です。
この話の教訓は何ですか?
みんなとちがっても、見えたことをそのまま言っていい、ということです。うそをついた人を責めるのではなく、言えなかった気持ちを描いています。
王さまはかわいそうではないですか?
ひまり姫版では、王さまは最後まで胸を張ってパレードをやりとげます。はずかしい思いをしても立ち直る姿として描いています。
よみきかせにどれくらい時間がかかりますか?
このページの全文をゆっくり読んで、約7分です。短くしたいときは、あらすじだけを読んであげてもかまいません。
無料で全部読めますか?
はい。このページの本文は、会員登録なしで最後まで無料で読めます。3Dの絵本をめくって読む「えほんモード」は6ページまでが無料で、続きは無料会員登録でひらきます。
動画版はありますか?
あります。ひまり姫チャンネル(YouTube)で3Dアニメ版を公開しています。文字を読むのがまだ難しいお子さまには、動画から入るのもおすすめです。
紙の絵本はありますか?
あります。ひまりスタジオの絵本としてAmazonで販売しています。Kindle Unlimitedに入っている方は0円で読めます。


